集中力が持続しない、不注意、多動などの症状により、集団生活への適応が困難な方を「発達障害」とされています。

発達障害に悩む患者さんは、日本では105万人いるといわれています。中でも自閉症スペクトラム障害(ASD)は、単純に性格的な問題として片付けられ気づかずに大人になってしまわれている方も多いそうです。

では、大人の「発達障害」は、相手の気持ちや表情を理解しにくいことがあり、生活に支障をきたしてしまうようです。

【大人の発達障害の症状】

・上司の送別会に誘っても断る
・決められたスケジュールは変えたくない
・人の気持ちがわからない

・自分の興味のあることを話続ける
・話の文脈と違う発言をする
・こだわりが強い

・自分のスケジュールを崩されるのがいやだ
・特定のことに深い知識を持つが、それ以外を知ろうとしない

症状を見ると、どれかに該当してしまう感じがしますが、発達障害は、先天的な脳機能の障害です。

子供の場合、小学校の集団生活で発見されるケースが多いのですが、大人の場合には、傾向としてIQが高く、言葉の遅れがない場合など、「性格的な問題」と処理されてしまい見過ごされれるケースが多いようです。

【番組で紹介していた患者さん】

37歳男性の場合、ASDと診断されたのは2年前。それまでは、見過ごされてきたそうです。

子供の頃は、言葉が遅い、集団行動ができない、忘れ物をよくする、それを両親は性格や思春期の心の問題だと思っていたそうです。

大学は集中力を発揮し東北大学に進んだそうです。その後、大学院で中退、仕事での人間関係もうまくいかずやめてしまったそうです。
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浜松医科大学の研究チームでは、難しかった発達障害の判断を最新医療機器や血液検査で簡単に調べられる方法を開発したそうです。

発達障害の専門家 浜松医科大学 杉山登志郎先生

最新の頭部専用PETを使って調べてた結果、ASDの人は、相手の目を見ず表情を読みとることが苦手。また、脳の中ではアセチルコリン神経の働きが低いことがわかってきました。

【ASDの早期発見につながる血液検査とは】

まだ研究段階ですが、ASDの方の肝臓で合成されている中性脂肪VLDLを調べてみると、8歳以下の子供には3割少ないという結果だということです。

【番組外の情報】

『発達障害に気づかない大人たち』の著者である福島学院大学の星野仁彦教授によると、発達障害の方は、成績のいい人が多いため、人付き合いが苦手で済ましてしまい学校を卒業するまで、発達障害と気づかずに大人になってしまった人がかなりいるとのこと。

発達障害は、ソワソワと落ち着きがなくてキレやすい「ジャイアン型」(多動・衝動性優勢型)はわかりやすく、一見、落ち着いていても、気が散りやすく

仕事や会議に集中できない「のび太型」や相手の話をきちんと聞けない(不注意・注意散漫型)が、見過ごされる傾向にあると指摘しています。

酒やタバコ、ギャンブル、買い物、セックスなど、何かにのめり込みやすいのも特徴の1つだそうです。
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お近くに思い当たる人がいらっしゃる方は、一度専門医(精神科/心療内科)を勧められてはいかがでしょうか。